2021.4.28
この前、神戸の街を散歩していた時に、旧居留地十五番館の歩道にむき出しになっている大きな筒のような物を見つけ、近づいてみるとたまたま土木学会選奨土木遺産のプレートを見つけました。
何だろうと思い、説明パネルを見ていると中々興味深いものでしたので今回は、いつも土木遺産を執筆頂いている坂下氏に代わり、旧神戸外国人居留地下水渠を皆様に紹介します。
これは旧神戸外国人居留地(きょりゅうち)下水渠(げすいきょ)と言い、
横浜と並び日本最古の西洋式下水道です。
※この下水道は雨水と家庭排水を排除するためのものです。
作られたのは明治5年(1872年)頃で設計者はJ.W.Hart(イギリス人土木技師)で
神戸旧居留地を設計した方です。
また、この下水渠は神戸付近で作られた煉瓦で作られています。
また、この下水渠の何がすごいかと言うと、
今から150年以上前に作られたものの約5%(約90メートル)が現存しており、
現在でも雨水を通す下水道管として使われているのです!
こんな昔に作られたものが今でも使われている。
当時の人の技術力の高さには感服するばかりです。
国指定重要文化財の第十五番館横の歩道に公開展示が行われており、神戸の南京町やメリケンパークの近くにありますので、この近辺にお出かけされた際、
一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
あとがき
何だか土木遺産のプレートにも目がいくようにもなったのも
職業病なのかなと思った今日この頃です。
筆者:阪神高速先進技術研究所 職員 Y.M
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